こんにちは、ちょふです。
僕には3歳になる息子がいるのですが、3歳検診のときに「自閉症スペクトラム障害」との診断を受けました。
それから息子のことをより理解しようと勉強しています。
- 自閉症スペクトラム障害の子どもとの接し方がわからない
- 今の子どもとの接し方が正しいのか不安
- そもそも自閉症スペクトラム障害って何??
こういった疑問にお答えしようと思います。
この記事では「自閉症スペクトラム障害の特徴」と「子どもと接する時の7つのポイント」を解説していきます。
知っていれば「どうすればいいの?」が少しずつわかってきます。
なのでまずは知ることから始めましょう!!
自閉症スペクトラム障害ってそもそも何??
まずは自閉症スペクトラム障害について説明します。
さらに障害とまではいかない軽い症状を「自閉スペクトラム」、「自閉症スペクトル」と呼んだりします。
僕の息子は「自閉スペクトラム」と診断されました。
また、自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症候群などは2013年ごろからまとめて「自閉症スペクトラム障害」と呼ぶようになりました。
なぜ「自閉症スペクトラム障害」とまとめて呼ぶようになったのか
自閉症やアスペルガー症候群など、それぞれの症状に対して境界線を引くことが難しいからです。
なので、それらをまとめて一つの集合体として対応していこう、と言う流れになっています。
自閉症スペクトラム障害の原因
自閉症スペクトラム障害の原因ですが、まだ詳しいことはわかっていません。
ですが、先天的なもの(遺伝的なもの)なので、育て方には関係ありません。
「育て方が悪いからなってしまったの…?」と親が責任を感じる必要は無いのです。
自閉症スペクトラム障害とは関わり方が大切
しかし、自閉症スペクトラム障害である子どもとの関わり方は非常に大切です。
なぜなら間違った関わり方をしてしまうとストレスによってうつ病や不安症、チック(多動症)といった二次的な問題に発展しやすいからです。
母子手帳の目安は気にし過ぎない
また、自閉症スペクトラム障害は特有の発達スタイルと捉えていくことが重要です。
母子手帳にある発達の目安はあくまで“目安”。
- 「何歳までには会話できるようにならないと…」
- 「まだ一人でご飯が食べられないのはヤバイ…?」
そんな風に思い詰める必要はありません。
“目標”や”ノルマ”ではないので、その子のペースに合わせた発達が大切です。
自閉症スペクトラム障害の特徴
自閉症スペクトラム障害には大きく2つの特徴があります。
- 対人関係が苦手
- こだわりが強い
それぞれ説明していきましょう。
自閉症スペクトラム障害の人は柔軟な対人関係を築くのが苦手
1つ目の特徴は「柔軟な」対人関係を築くのが苦手なことです。
曖昧な表現や情報を瞬間的・直感的に理解することができません。
だから対人関係を「柔軟に」築くのが苦手です。
具体的には以下の特徴があります。
- バイバイの手が逆になる
- 言葉を話さない、話しても不自然
- 空気が読めない
- 人との関わり方が独特
- 反応が鈍い
- 親を見ない
- 自分のことを話過ぎてしまう
バイバイの手が逆になる
バイバイをする時、普通は手のひらを相手に向けて手を振りますよね?
ところが、自閉症スペクトラム障害の子どもは手のひらを自分に向けて手を振ります。
それを見て「あれ、なんかおかしいかも…」と気づく人もいるかもしれません。
僕の息子もよく手のひらを自分に向けてバイバイをしますね。(それはそれで可愛い)
言葉を話さない、話しても不自然
言葉をなかなか話さず、言語発達が遅いことも特徴です。
また、言葉を話し始めてもアナウンサーや車掌さんのような独特な話し方が多いのも特徴。
親が言ったことを「おうむ返し」することもあります。
疑問形で聞くので、疑問形で返してきます。
(いらないときは「いらない?」と返し、それも可愛いんですけど…笑)
空気が読めない
自閉症スペクトラム障害の人はよく空気が読めないと言われています。
というのも、以下のような特徴から誤解されたり察しが悪いと思われてしまいがち…
- 相手の心情を読み取るのが苦手
- 身振り手振りといった”話さない”表現がうまく使えない
- 冗談や社交辞令が通じない
「今度ご飯に行こう!!」なんて言われると本気で受け取る - 普通に話してるつもりが相手を不愉快にさせてしまったりする
とにかく相手のことを考える、考えて行動するのが苦手なのです。
人との関わり方が独特
自閉症スペクトラム障害の人は周囲の人との関わり方が独特です。
- 孤立する
- 相手に話しかけられるまで待つ(受動的)
- 逆に毎日話しかけるなど一方的な関係(相手の心情はわからない)
だったりします。
反応が鈍い
人に呼びかけられても気づかなかったり、人が指差したものに興味を示さなかったりします。
僕の息子も「消防車だよ!!」と指差しても無反応だったり…
これは後述の「こだわりの強さ」からも来ていると考えられます。
自分の好きなことを話し過ぎてしまう
自閉症スペクトラム障害の人はこだわりが強い傾向にあるので、好きなことには没頭します。
好きなことを話すときはたくさん話しますが、ついつい話過ぎてしまうことも…
そのせいで煙たがられたりすることもあります。
自閉症スペクトラム障害の人はこだわりが強い
自閉症スペクトラム障害の人はこだわりが強いことも特徴です。
こだわりが強いので、全体のことよりも一部のことが気になってしまいます。
そのため視野が狭くなってしまいがちで、全体や周りがどうなっているか把握することが苦手。
また、自分のペースをとても大切にすることも大きな特徴ですね。
- 特定の遊び、物事を繰り返す
- 興味の範囲が狭い
- 得意なことと苦手なことの差が激しい
- 方法や手順を柔軟に変えられない
- ルールを守る
- 情熱的すぎる
- こだわりに使われるエネルギーは一定
特定の遊び、物事を繰り返す
自閉症スペクトラム障害の人はこだわりが強いため、一度興味を持ったことは何度も繰り返します。
子どもならプラレールを何ヶ月も遊んだり…(息子は2年以上遊んでます)
逆に新しい遊びに誘ったりしてもなかなか手をつけようとしません。
興味の範囲が狭い
こだわりが強いため、興味のある範囲が狭くなりがちです。
ネットやゲーム、アニメに夢中になって他のことには目もくれなくなったりします。
僕の息子も一時期、NINTENDO Switchを一日中やっていることもありました。
(遊べる時間を指定できたので、最近はかなり減ってきていますが)
得意なことと苦手なことの差が激しい
得意なことはこだわる特性上、上達が早かったり誰よりも得意になったりします。
逆に苦手なことはとにかく苦手。
例えば…
- 算数は得意だからいつも100点!!
- でも社会は苦手だからいつも50点…
という具合に。
方法や手順を柔軟に変えられない
こだわりが強いため、いつもと違うやり方になると最悪パニックになってしまいます。
僕の息子も散歩をするときはほとんど同じルート。
違うルートを行こうとするとすっっっごい嫌がります…
ルールを守る
ルールを守ることはとてもいいことですよね。
ただ、どうしても緊急的に守れない場面が出てくることもあります。
そういった「急に守れない状態」になることも苦手、パニックになります。
情熱的すぎる
こだわりが強いため、自分が一番でないと納得しないところがあります。
そのため、自分より上の人が現れたり、こだわっていることで知らないことがあるとパニックになってしまうことも。
こだわりに使われるエネルギーは一定
ここまでこだわりの強さを説明していきましたが、実は”こだわる”ことに使われるエネルギーは同じです。
つまり…
- 新しく興味のあるものが出てくると、エネルギーはそっちに使う
- 今まで興味のあったものは、どんどんエネルギーを使わなくなる
「昨日まであんなにプラレールで遊んでたのに、急におままごとにハマってしまった…」
なんてことが、僕の息子にはありました。
その他の特徴
他にも「感覚が人と違う」という特徴があります。
感覚が違う、というのは誰でもそうですが、「誰も気にならないことが気になってしょうがない」というのが大きな違いです。
例えば…
- ガードレールのつなぎ目が気になってしょうがない(視覚)
- 時計の針の音が気になって眠れない(聴覚)
- 犬の毛並みが気持ち悪くて撫でるのがいや(触覚)
しかも、その逆に「みんな気になることが、全く気にならない」ということも。
また、「記憶することは得意だけど、想像することが苦手」という特徴もあります。
- 「過去にあった出来事」や「好きな電車や虫、動物」はよく覚えている
- 「道路へ急に飛び出したらどうなるか」と想像することは苦手
さらに、記憶することは得意ですが、「興味ないこと」や「周囲の状況」、「周りの人」は覚えていなかったりします。
自閉症スペクトラム障害の子どもとの接し方
自閉症スペクトラム障害とはなんなのか、どんな特徴を持っているのかを説明しました。
ここからは接し方について説明していきます。
- 特性を掴む
- 接するときの7つのポイント
まずは特性を掴む
自閉症スペクトラム障害の特徴は説明しましたが、全て当てはまるとは限りません。
そのため、まずは必要なのはその子の特性を掴むこと。
なぜなら特性によって接し方も変わって来るからです。
普段の行動を把握する
例えば、繰り返し使っている言葉や行動をメモしておいたり、動画、写真をとったりしましょう。
するとその子がどんなことをやりがちなのか、何をやりたがらないのかといったことが見えてくると思います。
あとで説明しますが、ある程度その子を把握しておくことでお医者さんともスムーズに相談できます。
専門家に相談する
親だけで特性を掴むことは難しいです。
なので小児科、児童精神科といった専門の機関で相談しましょう。
個人的には小児科よりも児童精神科の方がより細かく見てくれます。
相談した上でその子の発達の見通しを立てていきましょう。
- 家族はどんな支援をすればいいのか
- 療育を受けさせた方がいいのか
- 福祉制度、教育制度を利用するべきか
ただし、注意しなければいけないことが一つあります。
それは、見通しに固執し過ぎない、ということ。
見通しは”見通し”、ノルマや目標ではありません。
固執しすぎると子どももですが、親自身も追い込まれてしまいかねません。
自閉症スペクトラム障害の子どもと接する時のポイント7つ
次は接し方のポイントを7つ説明します。
- 褒める
- 言動を一致させる
- 視覚表現を使う
- 話を聞く
- 具体的に話す
- 提案する
- 肯定的に話す
「自己肯定感」を育てることが大きな共通点。
自分を肯定してくれること、自分が認められていると認識してもらうことが大切です。
褒める
褒められて嫌な人はそうそういませんよね。
だから一番大切。
褒めることでその子に成功体験を積んでもらい、自己肯定感を育てていきます。
そうすることで、苦手なことに直面しても「無理にできなくてもいいんだ!」と自分を許すことができるようになります。
自分を許せる人間は他人に頼れるようにもなります。
言動を一致させる
自閉症スペクトラム障害の子は変化を嫌うので、「昨日言ったことと違う!!」ということが無いようにしましょう。
どうしても変更するのなら「納得できる理由」をきちんと説明してあげないといけません。
視覚表現を使う
曖昧な表現が苦手なので、視覚にうったえる伝え方が効果的です。
例えば、絵や図、表を使ってあげるとイメージしやすくなります。
僕の息子も歯磨きのやり方を絵本で覚えてくれました。
話をちゃんと聞く
子どもが話しかけてきたらきちんと聞いて応えてあげましょう。
そうすると次も話をしようと考えますし、困った時に相談してくれやすくもなります。
逆に、「ちゃんと聞いてくれない…」となってしまうと、どんどん話をしなくなり、困った時にどうすればいいかわからなくなってしまいます。
具体的に話す
曖昧な表現が苦手なので、具体的に話をしましょう。
例えば家を出発する時は…
×「そろそろ出発するよ〜」
○「10分後には出発するよ〜」
と、具体的な数字を使って話すのがベターです。
提案する
子どもが何か困っていたり悩んでいる時は「こっちにしてみたら??」と提案してみましょう。
提案 → 合意 → 活動
この流れを普段からやっておくと親子の信頼関係がしっかりしたものになります。
また、もし合意してくれない場合は別の提案をしてみてください。
ただし、“一方的”にはならないこと。
提案が命令になってしまったり、放任主義的(自分で考えてやらせる)になってしまうと…
- 命令を受けることにストレスを受けてしまう
- 放任してたのに、あるタイミングで急に制限されてしまう(言動の不一致)
といったことになってしまい、二次的問題にも繋がりかねません。
肯定的に話す
最後は肯定的に話すことを意識しましょう。
これは自閉症スペクトラム障害でなくても大切ですが、否定的な表現を避けることで自己肯定感を育てることになります。
【自閉症スペクトラム障害】親が困った時、不安になった時にすること3つ
ここまで、自閉症スペクトラム障害の特徴、その子の接し方のポイントなどを説明してきました。
しかし、親も人間なので困ったことが起こったり、不安になることがあると思います。
そんな困った時、不安になった時にすることを3つ紹介!!
とはいっても特別なものは何もありません、安心してください。
相談する
とにかく困ったことがあったら人に相談しましょう。
お医者さんなどの専門家もそうですが、家族や友達といった身近にいる理解者に相談してみてください。
自閉症スペクトラム障害をはじめ、育児は一人でやるものではありません。
相談して答えが出ないとしても、話をするだけで気分は違うものです。
身近にいない場合、例えばLINE チャットという誰でも書き込めるネット掲示板もあるので、検討してみてくださいね!!
ストレス発散
ストレスが溜まったら発散、なんてことは当たり前ですね(笑)
いくら子どものためとはいえ、親も人間なので限度があります。
ストレスを抱えてしまうことは悪いことでは無いので、しっかり発散してください。
勉強する
こうやってググったりすることがすでに勉強になっています。
本を読んだり、その子をしっかり観察したり、専門家の話を聞いたりすることはどれも勉強。
障害のことやその子のことをより知ることで自分も安心します。
わからないまま進むことは不安で怖いこと、少しでも「わからない」を減らしていきましょう。
最後に
ということで自閉症スペクトラム障害に関することを説明してきました。
自閉症スペクトラム障害の特徴
- 対人関係を築くのが苦手で、曖昧なことを理解するのが難しい
- こだわりが強く、全体よりも一部が気になってしまう
接し方のポイント
- 自己肯定感を育てる(褒める、話をしっかり聞く)
- 言動を一致させる
- 視覚表現を使ったり、具体的に説明する
- 提案して信頼関係を築く
何かと大変なことがあると思いますが、親である僕たちも抱え込まずに周りの人に頼っていきましょう。
子どものことも大切ですが、自分自身も大切にしてくださいね。